家の中でちょいと探し物をしていると、古そうなシールが出てきた。

僕が幼稚園に行くか行かないかくらいの幼い頃、通っていた音楽教室のもののようだ。

内容はほとんど覚えていないが、歌ったり楽器を鳴らしたりして、「音楽に親しもう」風なことをしていた気がする。

で、そのシールはというと、1枚の台紙の中に

「たいへんよくできました。」

「よくできました。」

「あしたはがんばりましょう。」

の3種類のシールがそれぞれ30枚ずつ並んでいる。

おそらく、その日の授業(?)ごとの成績やら評価やらを表していて、子ども一人一人の手帳に貼られていたのだろう。

そのうち、使われていたのは「よくできました。」が3枚、「あしたはがんばりましょう。」が5枚。

「たいへんよくできました」は全て残ったままだった。

地味にショックだった。

別に絶対音感があるわけじゃないし、何か楽器ができるわけでもないが、学校の授業の中では音楽は好きな方だった。

飲み会の二次会でカラオケに行けば、周りに「感情がない」と言われながらも音は外していないつもりだし、リズム系のテレビゲームもまぁまぁ得意なつもりだ。

通っていた当時は僕なりにがんばっていたのだろうが、そのがんばりが報われず、本当に親しめていたのだろうか。

30年前の僕よ、辛くはないかい?

いや待てよ。

この結果を見て、母は僕に気を遣い、伝えていなかったのかもしれない。

 30年前の母よ、子にありのままを伝えてください。

いやいや待てよ、幼少時に才能の無さを突きつけられれば、今ごろ非行に走っていたかもしれない。

とりあえず、当時のことを母に聞いてみよう。

そして社会人になった今、日々積み重なり続ける仕事に辟易している僕にはちょうどいい刺激なのかもしれない。

あしたこそがんばって、「たいへん」までは求めないから、「よくできました」くらいは言われたいな。